死にたければ死になさい

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「自殺の季節だけど、自殺を思いとどまらせる方法とかはあるの?」

「家族が悲しむぞ、迷惑をかけるぞと言われても躊躇しない人、つまり本音で死を決意した人を止める方法は無い」

「死ぬと地獄に行くぞとか、そのカルマを背負って生き返るぞとかでもダメ?」

「情に訴えてダメなら脅してもダメ」

「教育には期待してないけど、宗教やスピリチュアルは自殺を思いとどまらせる力があるんじゃないの?」

「集団で生きることの素晴らしさを唯一教えることができる教育こそが自殺者を減らす最も効果的な方法なんだけどね」

「教育現場は、集団に馴染めない児童生徒やいじめの解消に消極的なだけでなく非難を恐れて問題の隠蔽に躍起だから役不足でしょ?」

「この季節に自殺を考える人は孤立してる人なので、仲間が助けてくれる、力になってくれるという実感があれば自殺しない。だからこそ、集団生活を唯一経験できる学校の役割は大きい。国の未来を決める主権者を育てるために教育があるのだから、教育基本法に書いてある自らの役割をきちんと果たしてもらいたいね」

「教育の目的は主権者の育成だったんだ。でも、現状では役不足だから、宗教やスピリチュアルに期待するしかないんじゃないの?」

「宗教はお互いが兄弟姉妹であると教えるけど、信者間の人間関係は希薄な場合が多いから、信者ですら生きるのが辛くなったら自殺を考える。また、スピリチュアルは他人との繋がり方をほとんど教えないので自殺願望者には無力」

「教育も宗教もスピリチュアルも、団体化すると団体が滅びないようにすることが目的化し、人は団体の存続に欠かせない手段となってしまっている。教育現場は学生だけ、宗教は信者だけ、スピリチュアルはお客さんだけという特定の集団にすぎない。だから人は孤立しやすく、自殺に誘惑されやすい」

「じゃあ、自殺に誘惑されてる人に何てアドバイスしたらいいの?」

「本音に正直に生きなさい」

「自殺したいが本音だったら?」

「それが本音なら死になさい」

「なんと!人生という学校ではそう教えるのかい?」

「祖父が自殺し、叔父が自殺し、僕も自殺仕掛けた我が一族の結論さ」

「死ねるかどうかは魂次第だけどね」