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タイトルを見て、条例規則作成の経験者はあり得ない期間だと直感するでしょうし、憲法が意味不明だと不満をお持ちの方は、安直に作成されたからわかりにくいんだと思われたかもしれません。しかし、憲法の原案は決して安直に作成されたわけではありません。それは複数の書物からも明らかです。私は、国民主権、基本的人権、平和主義という国家の根本原則を超短期で原案化した行政の先輩方に驚嘆しています。

ほんとに一週間で作成したの?と疑問をお持ちの方は国会図書館のサイトを是非ご覧ください。経験者なら胃が痛くなるような苦悩を体感できると思います。該当部分を抜粋しますと、
『2月13日、外務大臣官邸において、ホイットニーから松本国務大臣、吉田茂外務大臣らに対し、さきに提出された要綱を拒否することが伝えられ、その場で、GHQ草案が手渡された。後日、松本は、「憲法改正案説明補充」を提出するなどして抵抗したが、GHQの同意は得られなかった。
そこで、日本政府は、2月22日の閣議において、GHQ草案に沿う憲法改正の方針を決め、

2月27日、法制局の入江俊郎次長と佐藤達夫第一部長が中心となって日本政府案の作成に着手した。3月2日、試案(3月2日案)ができ上がり、3月4日午前、松本と佐藤は、GHQに赴いて提出し、同日夕方から、確定案作成のため民政局員と佐藤との間で徹夜の協議に入り、5日午後、すべての作業を終了した。
日本政府は、この確定案(3月5日案)を要綱化し、3月6日、「憲法改正草案要綱」として発表した。

その後、ひらがな口語体での条文化が進められ、4月17日、「憲法改正草案」として公表された。 』

さて、本題は憲法原案作成秘話ではありません。公務員の基本を話題にしたいのです。当時の公務員は天皇の僕(しもべ)でしたが、天皇制を死んでも守らなければという必死さがありました。ひたむきさがありました。

現在の私たち公務員にも国民に対するひたむきさはまだあるでしょうか?

この点から東日本大震災の現場にいる公務員を見ていると、見事に二極化しています。平時にある私たちは、彼らから改めて学ぶべきではないでしょうか?公僕の務めがどれほど重いものなのかを。そして、

公私の別無く在職している限り24時間公僕であることを。

憲法の作成に関わった白洲次郎氏に関する本を読んでみると、彼の魅力的な人間性以上に、公僕たる者の心意気を学ぶことができます。多くのご同輩が違和感を持たれるでしょうが、国民の望む公僕とは意外とそういう輩なのだと私は思っています。



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