憲法第96条を改正したい国と私の理由

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衆参両議院で3分の2以上の賛成が得られなければ、憲法改正を国民に問えない

というのが憲法第96条の趣旨である。

憲法
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

憲法第96条を改正したい国の狙いは憲法第9条の改正

にある。憲法第9条を改正して

集団的自衛権を合憲化したい

のだ。自衛隊は米軍が隣で攻撃を受けても助けることができない。憲法は集団的自衛権を認めていないから。

個人であれば、自己だけでなく他人の権利侵害に対する急迫不正の侵害に対しても正当防衛が認められるのに、国にこれを認めないのはおかしい

というのが改憲論者の主張だが、それが主な理由というわけではない。北朝鮮が煽(あお)っている不安の解消が主な理由である。つまり、

数年ではなく数分で終わるこれからの戦争に、日本も対処できる国になる

ということが憲法第9条を改正したい大きな理由なのである。生物兵器や核兵器は、使用されてからでは遅い。全人類の命が脅かされるからだ。だから、日本が目指している対処の内容は、

専守防衛で国民を守れる時代ではないので、生物兵器や核兵器が使われる前に叩く先攻防衛の合憲化を急ぐ

というわけなのである。

ただ、憲法第9条の改正をするには、憲法前文の見直しが前提条件となる。なぜなら、日本国民の安全と生存が脅かされた場合の対処法を憲法は明確に示しているからである。憲法は、前文で

日本国民の安全と生存が他国から脅かされることは無いと信じ、よって他国からの侵害に備えることはせず、ただ世界平和の実現に専念することで日本国民の安全と生存を守る

と明示している。

身を守るために世界中が銃を手にしても、日本人は銃を取らないと宣言

した、これが憲法なのである。日本の決心は賞賛に値するが、今の日本国民を同時に賞賛していいものだろうか。

憲法前文
 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

憲法第96条を改正したい私の理由は、国民各位に覚悟を持って銃を放棄してもらうためだ。しかし、多くの国民にその覚悟は無い。その原因は憲法に対する国民の無知・無関心にあり、国民を守るために機能するはずの憲法改正のハードルの高さが、同時に国民の無知・無関心を悪化

させているためだ。自衛隊が市民権を得て久しいが、自衛隊の合憲性問題が解決したわけではない。自衛戦争の合憲性を憲法の条文から読み取るのは容易ではない。既成事実を積み上げて憲法の解釈を変えていくこれまでの手法は、集団的自衛権だけでなく、徴兵制を実現させるリスクも高い。今なら笑い話だが、有事になれば避けられない現実となる。有事にどうするのかは、有事にではなく平和な今こそ決断しておかなくてはならない。

権力者に憲法問題を決定させてはいけない。だから国民投票は多用できるようにしておかねばならない。

ただし、

国民投票は、投票の過半数ではなく有権者の過半数とすることで、憲法改正をし辛いものにしておく

必要はある。情報操作ひとつで国民の大政翼賛会(たいせいよくさんかい)化が容易なので、有効投票の過半数ではなく、有権者の過半数とすることで、議論の期間を長期化させ、国民が冷静に判断できる時間を確保するためだ。

インターネットの時代だからこそ、国民投票は有効活用できる。国民の権利を抑制し義務を強化する法律を制定する場合には国民投票を行う旨の文言を憲法に追加できれば、あなたの声が直接政治に反映されるだけでなく、党利党略に明け暮れる議会を劇的に民主化することができる。後は、私たちのやる気の問題である。今がその好機である。



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