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2011年10月の「朝まで生テレビ!」のテーマは「国民に総理大臣を選ばせろ!」でした。たまたまテレビの前に座っていたので午前3時過ぎまで観てましたが、相変わらず枝葉の議論へ話が飛びまくるので、視聴者には「で、どうすればいいのさ?」という疑問だけが残った番組でした。

議論が持論の紹介になってはいけないので、「首相公選制を考える懇談会」報告書をたたき台にしますが、首相公選制によってどのような課題を解決しようとしているのかという点が明確なだけですので、その部分だけをご紹介したいと思います。要点を一読即解していただけるよう正確よりも明確を期しておりますので、単刀直入=「乱暴な議論」になりがちですがご容赦ください。

まず、首相公選制の実現で解決を図りたいと考えている課題は、

政党や官僚機構の利益が国民全体の利益に優先する国家経営の打破

です。「首相公選制を考える懇談会」報告書に結論はありませんので、先を急ぐために、いきなり私なりの結論ですが、

首相公選制の実現で課題の解決は図れない

と断言します。理由は簡単です。

お住まいの地域の知事が住民利益を最優先に地域経営をしているか判断してみてください。

これだけでもう理解していただけると思います。半世紀以上も続く地方選挙の経験から、政党と官僚は首相公選制に対応できる手段をすでに会得しています。ですから、

国民が総理大臣を直接選挙で選べたとしても、政党や官僚機構の利益確保が確認されなければ、国民全体の利益が国家経営で日の目を見ることは無い

わけです。

「じゃあ、正せばいいじゃん!」と思われるでしょうから、ここからは少しだけ首相公選制が実現した未来を覗いてみましょう。すると、私の結論を否定するための条件が見えてきます。
最初に、

衆議院選挙の際に立候補者は総理大臣を誰にすると明示する方法で首相公選制が実現

したものと仮定します。これが最も現実的なやり方だからです。衆院選で過半数の指名を得られなければ、衆議院で決選投票を行うことになります。組閣も済ませ内閣が誕生しますと、

公約を実現させるため政策毎に衆議院と参議院での多数派工作が必要

です。しかし、国民利益が最優先という公約は、既得権益派から次々に譲歩を迫られるので容易に実現しません。実現しても、既得権益は健在のままです。衆参のねじれ現象だけで与党の政策が実現困難な現状ですから、人気だけで総理大臣になったヒーローは何もさせてはもらえないでしょう。公約が非現実的だと既得権益側から反撃され、短ければ解散総選挙を数ヶ月単位で繰り替えすでしょう。この事態は避けられませんので、

国民自身に総理大臣の窮地を救う投票行動が常に必要となります。

そうでなければ、首相公選制で実現しようとした

政党や官僚機構の利益が国民全体の利益に優先する国家経営の打破

も実現しないからです。首相公選制のメリットは、国民が国民のリーダーを直接選べることだけではなく、国民自らが、政策の修正と実現に関与できることです。そのためには、選挙をとおして常に一貫した意思を示さなくてはいけません。選んだ総理大臣と選んだ国会議員の政策が違う場合には、自らの意思を実現する人物を何度でも選び直す覚悟が必要です。その際

誰に投票するかの基準はひとつ、どちらが改革派か?だけです。

政治不信は国民が利益誘導型の候補者を選び続けた因果です。政治が悪いのではありません。現状を容認してきた国民が悪いのです。今回のお題である

首相公選制が機能するための条件は、国家経営を国民に取り戻すという国民自身の意識改革

に他なりません。何度でも言いますが、

国民は国家経営のお客様ではなく経営者

なのです。経営者としての責任を果たしてください。経営者としての結果責任はすでに背負わされているのですから、逃げると政治家と官僚がほくそ笑むだけですよ。

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