「昨日貸した『あなたのなかのやんちゃな神様とつきあう法』っていう本読んだ?」
「読んだよ。自分の魂とつきあう方法が書かれてるね」
「自分の魂をやんちゃな神様扱いしてるけど」
「自分の魂は正真正銘の神様だからね。そりゃあ神様扱いもするでしょ。やんちゃなのは、著者のキャラだよ。魂が体験したい性格を人は持って生まれるから」
「『神はあなた自身だ』というあれね。全然ピンとこないけど」
「未来では常識だけど、現在では非常識だからね。ピンとこない時代を経験しないと、ピンとくる未来も来ないから、ピンボケを満喫したらいいよ」
「もしかしてバカにしてる?」
「違うよ。常識や誰かの命令に従って生きる経験を満喫しないと、自分の命令、つまり本音ね、に従って生きる経験もできないってこと。特に、その素晴らしさに気づかないってことさ」
「その素晴らしさって?」
「常識や誰かの命令に従って生きる経験すら、実は自分で決めている。銃を突きつけられていても、自分の事は常に自分が決めている。このことに気づける点が第一の素晴らしさ。」
「それのどこが素晴らしいの?」
「決めるという仕組みが理解できるので、それを自分の欲するままに活用できるようになる。これが第二の素晴らしさで、第一の素晴らしさの根拠。具体的には、従って現状の悪化を回避するか、逆らって現状を悪化させるかの二者択一が多くの人のパターン。これを現状に我慢ができなくなるまで延々と繰り返す。我慢できなくなったら、必然的に逆らって現状を悪化させるを選択する。『遅かれ早かれ逆らうんじゃん』と気づく」
「現状を悪化させてうろたえる人が多いから、現状の原状回復を図る人が大多数じゃないの?意味ないじゃん」
「それでも現状は変化するという経験と気づきをもたらすから、これも素晴らしいことさ。自分で変化させるか否かの違いだけ。きっかけはどうであれ、現状が変化すると従う内容も変化するから、新たな選択を迫られる。従うか逆らうかのね。現状は必ず変化する。変化し続けているが正確だけど。だから、どこかで『遅かれ早かれ逆らうんじゃん』と気づく」
「そこまで気づくと自殺に向かいそうだけど」
「どれだけ現状打開を渋っても無駄な経験はないよ。自殺に向かっても貴重な経験さ。現状は自分で招いているわけだから、従うか逆らうかを決めて行動すれば、招いた体験や結果が単純にやってくる」
「招いた経験や結果じゃないと思ってる人が多いはずだけど」
「『遅かれ早かれ逆らうんじゃん』と気づいた時点で、逆らって現状打破、現状との決別に動かなかったからだよ。痛み止めでごまかす程度の逆らうだと現状はどんどん悪化して手術になる。それも立派に招いた経験や結果さ」
「どれだけ議論してもキリがないね」
「自分が納得できる理由が見つかった時点でキリさ。『あなたのなかのやんちゃな神様とつきあう法』の著者のまじめとか一生懸命を否定するようなくだりも、実は自分を納得させる人生は、人生に対するまじめとか一生懸命という姿勢で得られるのではなく、単純に自分の本音が決めてるってことに気づかせるための手法なのさ」
「人を怒らせる口の悪さは君に似てるよね」
コメントを残す