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「公共事業が景気を刺激して上向かせる」という嘘が、「平成20年国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省統計情報部 平成21年5月21日公表)で明らかになりました。下記の1と2は、概況の一部内容です。

1.平成19年の1世帯当たりの平均所得556.2万円(平均を下回る世帯が6割)。高齢者世帯で横ばい、児童のいる世帯では減少。年金受給世帯の6割が年金収入のみの世帯。生活苦しいが57%、普通が37%

2.平成20年6月5日現在の世帯数は4795万7千世帯で横ばい傾向。平均世帯員2.63人で減少傾向。夫婦と子供世帯31%(うち6割が共働き)で減少傾向、単身世帯25%で増加傾向、夫婦のみ22%で増加傾向、65歳以上の高齢者世帯19%で増加傾向

内需拡大は国民の可処分所得額の増加が絶対条件

ですから、政府は効かないカンフル剤を投与してきただけでなく、低所得者に更なる負担を強いたことで、内需縮小を見事に実現させてしまいました。最悪なのは、増税、社会保障負担の増を平等の名の下に多くの国民に求めたことで、生活困窮者が増大し、社会だけでなく、自分の生活を良くしていこうという意欲すら国民から奪ってしまったことです。

その結果、国民が今後の人生設計を考える上で改めて思い知らされたのは、「国は私を助けてくれない」ということです。年金で暮らせない人、仕事のない人、家のない人、必要な介護を受けられない人、介護疲れの人などなど、国から支援を受けられない人だけが確実に増えています。介護保険、医療保険、生活保護、ハローワークのどれもが、国民に必要な支援すら満足にできない状況です。だから金のある人は預金に走り、金のない人は自暴自棄、無気力も含めて死に急ぎます。

行政は、支援を求める順番待ちの行列が日々増えていくのを傍観しているだけです。予算もないので国民健康保険、介護、生活保護の担当部門間では押し付け合いの状況でしょう。支援ではなく、たらい回しにされる人だけが増えているはずです。行政の対応を見て人々は益々悲観に暮れます。内需はさらに縮小していきます。国民所得はさらに減り、行政の国民支援も先立つ物がないのでさらに先細ります。

「地域の活性化」や「内需拡大」を政策に掲げるのなら、地域の活性化や内需拡大に必要な前提条件を整えてから掲げてください、政治家のみなさん。少なくとも、政策の実現を阻害している要因は取り除いてから、というのが礼儀ではないでしょうか。

以下、関係図書を紹介します。

日本経済の行方

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