経済危機対策関係経費として14兆円の補正予算を組みました。その内訳は、

A.「雇用対策に要する経費」に1兆円です。非正規労働者に対するセーフティネットと説明されていますが、内容はとりあえずの職と住と生活費の提供です。職業訓練 → 就職 → 自立までのセーフティネットを制度化するという意味ではありません。あくまでも臨時対策ですから、今後到来する急速な高齢人口の増加 → 社会保障経費の抑制強化 → 中高年非正規労働者の増加 を止める効果は期待できません。社会保障経費の拡充強化をして社会保障関係への就職支援を行うことで職のセーフティネットは確立できます。何せ3Kで不人気な職業には変わりがありませんから、常に人手不足=常時受け皿となり得るからです。ただし、医療と福祉の一体的な制度改革が前提です。既存制度の中でいくら予算を注ぎ込んでも事態は永遠に好転しません。

B.「金融対策に要する経費」に3兆円です。内容は中小企業の資金繰り支援と住宅ローンの促進支援です。日本は内需拡大が望めない経済構造だとの認識があれば、世界を取引相手にしていない中小企業に対しては単なる延命措置に過ぎませんから、費用対効果の比較で効果無しとなる公算が大です。

C.「低炭素革命に要する経費」に2兆円です。バラまき予算の典型ですが、内容は公共施設と車と家電の省エネ化促進です。省エネ、ロボットなどの技術革新にひと、かね、もの、情報の集中投資を国が先導した方が近道だと思うのは私だけでしょうか?

D.「健康長寿・子育てに要する経費」に2兆円です。地域医療・介護の再生と子育て支援が主な内容ですが、恩恵を受けるのは早くても1年後、効果が出るのは再来年からになりそうです。でも、この恩恵は長続きしないですよ。地方に維持する財力がありませんから。もちろん、国も毎年追加支援はできないでしょう。「国民の負担増が維持の鍵を握っています」と説明するつもりなのでしょうか?

E.「底力発揮・21 世紀型インフラ整備に要する経費」に3兆円です。既定政策の前倒し執行という内容になっています。「制度改革」が前提ではないので、利益以上に維持費のかかる従来型のインフラ整備に見えます。つまり、増税、福祉切り捨て、借金大国路線の継承です。国家が倒産するまで続きます。個人も国も預金大国だから倒産はしないと本気で信じているのでしょうか?いないでしょう、ね!

F.「安全・安心確保等に要する経費」に2兆円です。防災や生命財産の安全安心を確保できる国民生活の実現が主な内容です。これも既定計画の前倒しです。効果はありますがどう維持するのかの説明がありませんから、増税の布石?と勘ぐってしまいます。

G.「地方公共団体への配慮に要する経費」に2兆円です。国が既定計画の前倒しをするためには、地方も予算確保が必要となりますが、逆立ちしても鼻血もでない自治体ばかりですから、国が面倒を見る羽目になります。そのための経費です。

先細りし始めた既得権益には恵みの雨ともいえる補正予算です。既得権益の体制強化を図り、今後10年は米国のような「チェンジ=改革」を抑えることができるかもしれません。

痛み止めを毎年国民に与えることで、更なる負担を国民に求める口実を補正予算は与えています。

みなさん、来年には必ず「だまされた」ことに気づいてくださいね。費用対効果の事前評価=見通しもないまま、補正予算は使われようとしています。なので、必ず失敗します。見ててください。

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